『七割で良し』～彼女の言葉～
数年前に
ある雑誌のページをめくっていたときの事でした。
女優の叶和貴子さんの記事が
その雑誌の
連載である
『女の人生
急がば廻れ～５』
に掲載されていました。
その内容は
叶さんのキーワード
『関節リウマチという難病との共生』
でした。
女優という仕事を優先し､
何年も治療を後回しにしてしまった結果
関節リウマチを悪化させて､休養を決断せざるを得なくなった
叶和貴子さん。
１度かかったら
1生付き合っていかなければならない難病を
どのように受け入れ
仕事や生き方をどう変えてゆくことにしたのか………。
発症から18年
その心の軌跡を追う………。
叶さんは
私の父が好きな女優さんでした。
そのせいでしょうか
私も自然と
彼女が好きになっていました。
この記事にも
ふと、目を留めてしまったのも
写真の彼女の笑顔に
懐かしさが込み上げたからなのかも知れません。
そんな
美しい彼女が
あごの痛みで
食事もままならないほどの
難病生活を過ごしていたなんて
知る事もありませんでした。
そんな彼女が女優の道から
また違う人生を考える時期となり
あるがままの自分を受け入れられるようになってきたのも３年目の時だったそうです。
病気と向き合うなかで、
『自分を大切にしていなかった………』
と後悔の念に苛まれ、苦しんでいたのでした。
そんな時に
出逢った難病の専門医に
『思っていることを全部話してごらん』と言われた叶さんは
せきを切ったように出てきたのは、
心にため込んできた
様々な思い
泣きながら話したのは、自分を責め、悔いる事ばかりだったそうです。
すると
専門医は
『貴女は､何も動こうともしないで、悩んでばかりいる。
しないで後悔するより､自分がしたいことをやってごらん｡
そこから違う道が開けるから、自分を解放してあげなさい。』
と彼女に伝えたのでした………。
そうして
彼女は
もう１度
女優になる前の
高松和貴子という一人の人間に戻って
自分と
このからだが喜ぶ生き方を考えてみようと思ったのだそうです。
体調に波があるため
からだと相談しながらラジオやドラマ､ナレーション等の仕事にシフトしていき
それでも
からだが辛くなるなら、無理せず休む………。
そこで気持ちもふさぎがちになるけれど、
『繰り返してもいい………
次は少し強くなっているはずだから………。』
そう彼女はもう一人の自分に話しかけていくのです。
『するとふっと
答えが返ってくる………。
壁にぶつからないと返って
こないけれど、１度痛い思いをすると
１つ良い答えが戻って来るんです。』
そう思えるまで10年かかりました。
今､ようやく病と
付き合えるようになったと思うし､
今は自然に身を任せ、心地よく思える時間を過ごすようにしていると彼女は言います。
『どうして私はリウマチなのだろうと思うけれど、
自分ががんばり屋だと気付かされるための
病気だったのかな………と｡
[人生七割で良し]
という言葉があるの｡
十割望むとからだも無理してしまうから、
「七割､七割」と､言い聞かせています。』
七割………
そう思えるようになって
今は無理をせずに
心の声に
耳を傾ける
それでも不安になり
波のように心は揺らぐが
～そんな自分もいい～
と思えるのだと………。
今現在､
多くの難病と思われる病も
少しずつ
癒しも
聞かされてはいるけれど、
また、食の大切さを知り
それによっての癒しも改善も
耳にすることもあるようになりましたけれど
彼女は
病と向き合い
立ち止まり
歩いてきた道を振り返って
本当の心の声に耳をすませたのでした………。
どうでしょう………
心というものが
どれほどに大切か
彼女の言葉にも
気付かされますね………。
七割………
思うように動けなくなってきました。
そんな私も
十割目指しても
七割いくかどうかです。
もしかしたら半分なのかも知れません。
ですが、
それでも
この言葉を
時々思い出しては
十字架のあの方に
重荷を委ね
一歩一歩歩む事を
選んでいきたいと思う
私でありました。
そう………
彼女の言うように
波のように
心は揺らぐ事も
私のような弱い者なら
きっと
少なくはないでしょう………。
けれども
思います………。
大丈夫なのだと………。
きっと大丈夫なのだと………
叶さんの
そんなひたむきな
思いを
七割の言葉に
沁み込ませて………。
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